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zoom RSS 全焼しても立ち上がる「べにやの希望の庭」

<<   作成日時 : 2018/05/26 15:23   >>

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【べにやの希望の庭】


2018年5月24日、

「べにや」(福井あわら温泉)の

女将・奥村智代さんを訪ねました。



5月5日に火災で全焼され、

被害者も飛び火もなかったのが不幸中の幸いでしたが

とても気がかりだったのです。



再建の意向があると、県内の知り合いから伺っていたので

智代さんの想いと夢も55人の中で紹介している

拙著『女将さんのこころ2』を再び手にしていただけたらと

持参しました。



下記、快諾いただきましたので、

べにやさんの当時と今をお知らせします。



お見舞いは突然の訪問となりましたが、

タクシーで着いた道にご夫妻が立っていらして

ちょうどお会いすることができました。



まだ、撤去する段階ではないので、

文化財だった木造の建物は

真っ黒な姿で低く横たわっています。



これは目を背けたい光景のはずですが、

お二人は毎日、現場を見に来られているのでした。



火災の最中も、

「見ない方がいい」と言ってくれる人はいたけれど、

そういうわけにはいかないと、どうか止まってほしいと、

その光景をふらふらになって立って見続けていた智代さん。

駆け付けた何人もの女将さん仲間が体を支えてくれました。

スマホを持たずに避難した智代さんに代わり、

東京で暮らす4人の子供たちに知らせてくれたのも

女将さん仲間でした。

「全員無事だから、しっかり気を持って聞いてね」と。

子供の連絡先も伝え合っている仲なのです。


私が知る限り、芦原温泉女将会は日本一の団結力です。

記事にも書かせていただいたことがあります。




さて、火災から3週間になろうとしている今、

毎日、現場に来て、

改めて気づかせてもらったことがたくさんあると

智代さんはおっしゃいます。


がんばりましょうと言ってくれる社員と家族、

女将さん仲間、

お客さまや県内外から応援してくれるたくさんの方々、

温泉、自然、福井の土地と食――


建物は失ったけれど、

「自分たちにはかけがえのない財産がたくさんある。

ここが原点だ」
と。




敷地の中に入れてもらって驚きました。

建物の奥にある庭は、こんなに青々と残っていたのです。


画像
























以前、取材で伺った際、

「初めて、嫁ぎ先のべにやに来たとき、

『どんなことがあっても、この庭を見れば私はがんばれる』

と思ったんです」と、言っていた智代さん。


.
火災当初は、

燃えてしまった建物ばかり目について辛かったと言われます。

けれど、数日後に裏庭に足を踏み入れたとき、

しっかり根を張った木々のたくましさ、

なめらかに広がる苔の美しさに目を見張った、と智代さん。

すぐそばにはご先祖さまの祠がありました。


画像
























働いているときは時間に追われ、

裏側から庭を見ることはなかったと。

しかし、べにやと共に年月を重ねてきた庭はいま、

無言のメッセージによって、

心の中に「できる」という気持ちを芽吹かせてくれたそうです。



全身が茶色くなり、枯れたように見えた松は、

3週間足らずであちらこちらに緑の葉を伸ばし、


画像












火災の後から励ますかのように咲き始めたというツツジは

緑の中でピンクの差し色を見せてくれています。

画像
























黒い建物と息づく緑。

何とも言えないコントラストの空間の中、

智代さんから語られる感謝の言葉と、

献身的な木々の姿に涙があふれました。




智代さんは語ります。

「私たちは6代目なのですが、

実は火災のあった5月5日は、

この建物を建てた4代目の命日でした。

そんな日に建物を守れず申し訳ありません

という気持ちでいっぱいでしたし、

私たちの代は何としてでもこれを守っていくつもりでした。

火災はあってはならないことでしたし、

みなさまにご迷惑をおかけしてしまったことを痛感しています。

でもこうなった今、

これはご先祖様が、

もう古い建物にこだわらずに

新しいべにやを作るときだよと

言ってくれているのではないかと、主人と話しています。

前から、お客さまを思えばエレベーターもつけたいし、

改善したいところはいろいろありました。

古い建物のまま、

次の世代に継いでいいのかという不安もありました。

ありがたいことに、

ご近所のみなさまがお許しくださいました。

2年以内には新しいべにやを、と考えています」



現在は、近くのご自宅で18時には夕食となり

家族と社員が一緒に食卓を囲んでいるそうです。

旅館の経営中はありえなかった時間であり、

経営が始まったら作りにくい時間でもあります。

全員が再建で一致しているので、

どうしていきたいかという未来の話が出るといいます。



通常の火災保険に入られていたとはいえ

登録文化財の被災に特別な処置はなく、

すべて自己責任となるそうです。

これから考えることは山積みでしょう。



けれど、

べにやさんには前述したたくさんの無形資産と、

「運命や想いを繋いでいく」(ご主人で社長の隆司さん談)

というご本人たちの強い想いがあります。



希望の庭にふさわしい

「新しいべにや」の鼓動が

すでに小さく聞こえてくるかのようでした。


ジャーナリストの瀬戸川礼子でした。




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