贈り物の達人
毎年この時期、桃の香りに包まれます。
東京にお住いのある方が、郷里の岐阜・奥飛騨で育ったおいしい白桃を
送ってくださるのです。さらにうれしいのは、一緒に届くお手紙。
読むたびに、自然とにっこりしてしまうのです。

good looking♪
同封されている手紙には、こんなことが書かれています。
今や60歳代後半になった同級生が丹精込めて作ったものであること、
今年は日照不足と多雨で色づきも甘味みも今ひとつと、
「我がマドンナは電話の向こうで申し訳なさそうに話して」いたこと、
奥飛騨人の心意気、“桃太郎パワー”を感じていただきたいということ、
とりわけ、最後の文面にはいつも感服してしまいます。
「個人的思いのみでお届けする品ですので礼状など一切不要ですが、
キズ、イタミなどありましたら、郷里の名誉のためにもぜひご一報ください」
いやあ何度読んでも、いい文面だなあと、うっとりします。
郷里や友人への愛情があふれ出て、こちらまで幸せな気分になれるのです。
桃そのものの(←10回言ってみて

この桃を選んだ背景にこそ、感動がある気がします。
また手紙には、受け取った相手がお礼状を送らなくてよいように住所はなく、
電話とFAX番号、メールだけが書かれています。
郷里への貢献の仕方、贈り方、文面もすべてが“粋”なのです。
ときには自分が贈り主になることもあります。
別の方がおっしゃっていました。「贈り物には人が出る」。 ドキッ!
差し上げた方が、自然と笑顔になってしまうような贈り物。
そんな贈り物ができる人を達人と呼ぶのでしょうね。