廊下に立たされたあの日 ~解釈をしない強さ~



誰かにとっては楽しい体験が、

誰かにとっては悲しい体験だったり、


誰かにとっては辛い体験が、

誰かにとっては愉快な体験だったりします。


同じ物事でも、とらえ方で別のものに変わりますね。


小学2年生のときに廊下に立たされた経験は、そんな一つ。

先生は罰を与えたつもりですが、

受けた私にとっては、今でもときめくいい思い出なんです。





何をやらかしたのか、当時から分かっていないけれど(笑)

ある日の授業中、先生に

「礼子ちゃん、廊下に立ってなさい」と言われまして、

仕方ないので、廊下に出ました。


可笑しいのは、出ていく間の短い道中、

「廊下か~。古いな」って思ったんですよね(笑)。

当時、もうすでに、古臭い罰だったんです。


で、廊下に出た私が真っ先に思ったのは、

「あれ?バケツがない」でした。

テレビや漫画の主人公が廊下に立たされる場面では、

その子をさらに懲らしめるために、

水の入った重いバケツを両手に持って立たせます。

でも、ここにはバケツがない。

これじゃあ絵にならない。


まあ、先生も詰めが甘いですよね(笑)。


それならいいやと、私は気持ちを切り替えまして、

「廊下に立つ」をやってみることにしました。

恥ずかしくも悲しくもなく、

状況の「珍しさ」に、ただ惹かれました。



授業中、廊下に立たされたことがない人は、

授業中の廊下がどれだけ静かか知らないでしょう?

私はね、知っているんですよ。

ふっふっふ。



教室の中に何十人も子供たちがいるのに、

ドア一枚隔てた廊下は、しーんと静まりかえっている。

差し込む光に、リノリウムの廊下がてらてら光っている。

毎日、歩いているのに、知らない空間がここにある。

私だけがワープした、秘密の次元。



好奇心いっぱいでその世界に浸っていたら、

上の階段から、別の学年の先生がトントンと降りてきました。


立たされている私に気づいて、一瞬、目を丸くしてから、

「ははーん」って感じで、にやっと笑ったので、

私も、にやっと笑い返した。


その先生はそのまま1階に下りて行ったけど、

なんだか共犯者ができたような気がした。


このまま秘密の世界に浸っていたかったのに、

あっけなくチャイムが鳴り、現実に引き戻されてしまった。


「また廊下に立ちたいな」と、密かに願ったけれど、

あれが、最初で最後だった。


.。*☆+.*.。☆゚+..。*゚+


大人になって、私は考えてみました。

なぜ、楽しめたのか?


理由の一つは、「解釈をしなかった」からです。


つまり、

廊下に立たされた私はだめな子だ。

廊下に立たされた私は馬鹿にされる。

そういう、「○○だから○○だ」という解釈をしなかった。


なんか知らんけど、「立ってなさい」と言われたから

廊下に立った。それが面白かった。 実にシンプル。


あと、いま書いていて、思い出しました。

「子供を廊下に立たせるなんて、先生も大人気ない」って、

2年生の私はなまいきにも思ったんだった(笑)。


これは、上から目線かな? 

子どもだから、下から目線かな?


社会に出て、エレクトーン講師として子供たちに

毎日、接していたときも思いました。

「すべての子どもは、驚くほど冷静な目を持っている」と。

子供はすごい。あなどってはいかんですね。


ちょっと脱線しましたが、

廊下に立たされても面白がれた理由の一つは、

解釈をしなかったからであり、

あとは好奇心の強さもあるだろうけれど、

もっと深く、心の土台にあったのは

「自己肯定感」だろうと思います。

これは、親に感謝するしかありません。


なので、逆に言うと、自己肯定感が低い子に

一人で廊下に立たせるのはダメだと思う。

そして、自己肯定感の高い低いは見て判断できないから、

結論としては、たぶんどの子にもしないほうがいい。


こんな罰を与えなくても(私にはご褒美だったけど)、

気づかせたいことに気づいてもらう方法はいくらでもあります。

一人一人をじっくり観察して、

しっかり愛して、しっかり心で抱きしめて、

どうすれば気づいてもらえるかを考え抜く。

そのプロセスと実践が大事なのだろうなー。



話は戻りますが、

面白いもので、廊下に立たされても私が平気だったので、

教室の誰も私をからかいませんでした。

こっちは「自慢」くらいに思っているんだから、

からかい甲斐がないですもんね(笑)



大人になって思い出すと、

廊下に立たされた小さな冒険には、

いろいろな学びが隠されていました。


しかし、あの廊下はすてきだったな~。


あの子がこんなに大きくなって!と、

自分で自分のことを思うと笑えます。

そして、あの子に恥じない生き方をしなきゃ、と思います。


あなたにも子供時代の素敵な思い出、ありますか?



子どもの気持ちを忘れないでいたい

ジャーナリストの瀬戸川礼子でした。




① 吃音だったあの頃 ~いまも隠れ吃音です~

https://76653926.at.webry.info/201908/article_3.html


② 廊下に立たされたあの日

https://76653926.at.webry.info/201908/article_4.html


③ 私をいじめた小学校の先生に勝った瞬間

https://76653926.at.webry.info/201908/article_6.html


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